外海便り



2011年秋号

外海には近世から今日まで、美しい日本の景色が受け継がれ続けています。その一つが、日本の棚田百選の選定を受けた「大中尾棚田」です。
一年を通して、四季折々に表情を変える棚田の姿を楽しむ事が出来ます。
 
棚田のある風景を後世に伝えていこうと、約十年ほど前から「大中尾棚田保全組合」が組織され、美しい景観とそこで収穫される美味しい棚田米が守り続けられています。また、棚晴らしさをより多くの方に体験していただこうと、「棚田オーナー制度」が設けられ、県内外から毎年多くの参加者が訪れます。


 
この「棚田オーナー制度」では一定区画の水田を割り当てられ、苗植えから収穫、脱穀、精米までを体験することが出来ます。
米作りだけでなく、棚田の水路や周辺の清掃作業なども行ないます。
この様に、地元住民や参加者の協力によって、大中尾棚田の美しい環境が守り続けられているのです。
また、大中尾棚田には日本一の清流の認定を受けたことのある、神浦川の清流が流れており、豊かな自然と美しい水に育まれたお米はとても美味しいと評判です。

 


秋には収穫の時期を迎えます。収穫が終わると、大中尾棚田最大のイベントである「大中尾棚田火祭り」が開催され、夜の棚田の風景を楽しむことができます。日中は地元の特産物の販売や抽選会などで賑わいます。日が落ちてくるとメインイベントの始まりです。
棚田の淵やあぜ道に約五千本の竹灯篭が並べられ、祭の参加者で火を灯していきます。


 
すべての竹灯 篭への点火が終わり、日もすっかり落ちる頃美しく幻想的な光景が広がります。
静かな夜の暗闇に、たくさんのやわらかな竹灯篭の灯が浮かび上がるのです。



秋の心地よい風に当たりながら、この景色を眺めると心癒されます。このように一年を通して、様々な表情の棚田を楽しむことが出来るのは、「大中尾棚田を守り続けたい」という地元の方の思い、また県内外から訪れるたくさんの方の協力があってこそのことです。




これからも素晴らしい棚田のある風景が守り続けられていくことでしょう。今年の「大中尾棚田火まつり」は11月13日(日)に開催されます。詳細は次ページにてご紹介いたしております。
ぜひ一度、棚田の素晴らしさを体感してみませんか。